2005年09月05日
三井化学、溶剤の国内価格改定へ
アセトン等の3製品を18〜27円引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 三井化学は5日、アセトン、MIBK、IPAの溶剤3製品の国内価格を9月26日出荷分からそれぞれ引き上げると発表した。上げ幅は、アセトンとIPAがともにキログラム当たり18円、MIBKが同27円。
 
 これら3製品の値上げは今年4月に続くもの。現在の価格はナフサ1キロリットル当たり3万5,000〜3万7,000円見合いのレベルにあるが、同社では10〜12月期のナフサ価格が同4万4,000円以上にはね上がるのが確実と予想しており、これだけの大幅な値上がり分を自らの合理化努力でカバーするのは不可能、などから採算確保のため用役分の高騰分も含めて製品価格に転嫁することにした。
 
 アセトンの上げ幅を同18円としたのは、ナフサの高騰に伴うコストアップ分を最低同14円と弾き、用役の上昇分の同4円を加算したため。MIBKの同27円は、アセトンのコストアップ分の同18円の原単位の1.3を乗じた値に用役費の同4円を加えて算定した。IPAを同18円としたのは、ナフサの高騰分に原単位の0.8を乗じた価格に用役費の同じく4円を加えることが採算維持のためには不可欠と判断した。

 同社が今回の溶剤3製品の値上げに踏み切ったのは、ナフサの10〜12月期の価格の想定上昇幅がこれまでになく大きいので化学企業や一次加工企業の段階だけで吸収するのは不可能と判断したため。最終・末端の需要家に至るまでの全ての段階にそれぞれ転嫁していかねば共倒れになりかねないとの危機意識を募らせている。したがって需要家の説得にはこれまで以上のエネルギーを投入し全面決着を図りたいとしている。