2005年09月08日 |
LDPEの輸出入バランス、3ヶ月連続で入超 |
輸出の減少とL-LDPEの輸入の大幅増で |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
LDPE(低密度ポリエチレン)の月間輸入量が同じ月の輸出量を上回るいわゆる入超現象が続いている。ホモポリマーの輸出が中国向けを中心に大幅減となっているのに対してL-LDPEの輸入が大きく伸びていることによる。 同樹脂の7月の輸出は前年同月比10.8%減の1万7,454トンと引き続き不振であった。対する輸入(エラストマーも含む)は同55.0%増の2万1,167トンとこれまで以上に活発で、その結果差し引き3,713トンの入超となった。3ヶ月連続の入超で、これで同樹脂の入超は今年に入って5度目となった。 これに伴う1月から7月までの累計は、輸出が前年同期比5.3%減の12万9,380トン、輸入が同38.2%増の13万1,298トンで、差し引き1,918トンの入超となった。昨年までは輸出が輸入を大きく上回ってきたが、ここにきて完全に様変わりしているわけで、こうした傾向はアジアのLDPE市況がトン当たり1,200ドル前後まで上がらないかぎり継続する公算が濃厚というのが最近の同樹脂関係者に共通した見方となっている。 LDPEが入超続きとなっているのは、LDPE全体の輸入の圧倒的多数を占めるL-LDPEの輸入が拡大の一途をたどっていることによるところが大きい。同樹脂の7月の輸入量は1万9,639トンで、前年同月を46.9%上回った。この結果、1〜7月の累計は前年同期比33.9%増の11万9,639トンとなった。 LDPE業界筋の多くは、こうしたL-LDPEの輸入の急拡大の要因は国内の需要家の中で国内メーカーの相次ぐ値上げに対抗して海外品を積極的に調達するところが増えてきたことにあると分析している。昨年1年の輸入CIF価格の平均はキロ118円であったので、輸入品にウエートを移した方が有利との計算が働いたとの見方である。 ただし最近は海外品の価格も上昇中で、7月の加重平均CIF価格は同128.6円となっている。各種のインランドチャージをプラスしたユーザー納入価格は国産品とかわらないと指摘する関係者が少なくない。それでも、大手フィルムメーカーの中には国産品の値上げに抵抗して輸入を続ける姿勢を示すところがある。あとは、アジアの市況が今後上昇に転じた場合に海外メーカーが対日輸出戦略をどう考えていくかが重要なポイントとなる。 |