2005年09月12日
旭化成ケミ、SMの対中輸出価格を底上げへ
ナフサ高に対応、1,150ドルでオファーの構え
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、SM(スチレンモノマー)の中国向けの10月の輸出価格をトン当たりCFR1,150ドルに引き上げる方針を固めた。早ければ今週末にも中国の大手需要家に通告して説得を開始することになりそう。

 9月の価格は同1,050ドルであったのでおよそ同100ドルの値上げとなる。原料の一つのベンゼンの価格は原油のスポット相場の軟化に伴って下降線をたどっていて、直近のアジアのスポット相場は同810ドルとなっている。米国の石油精製業がハリケーン「カトリーナ」によって受けた操業面の影響度合いが当初の予想を下回るとの見方が広がってきたことによるもので、1週間前に比べると約100ドル下がっている。しかし、もう一方のエチレンの価格がナフサ価格の高騰によって急上昇しつつあることから採算維持のため底上げに踏み切ることにした。

 SMの需給バランスは、世界各地で大手SMメーカーによる生産調整と定修が集中的に実施され始めたため急速にタイト化しつつある。同社の調べでは、収支バランスの改善を目的に減産を実施中のSM企業はアジア地域だけでも8社にのぼり、加えて9月から11月末までの間に定修のため運休するプラント数は合計6基に達する。このため、中国を中心とした市場では先行きの需給不安感が急速に広がってきている。