2005年09月14日 |
新日石グループ、水島に新蒸留塔を完成 |
プロピレンの総生産能力、先ずは年68万トンに |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:新日本石油化学 |
新日本石油精製は水島製油所内でプロピレンスプリッター(蒸留塔)の建設工事を進めてきたが、10月早々に完工する見通しとなった。同装置のプロピレン生産能力は、純度95.0%のケミカル・グレードと同99.6%のポリマー・グレードの両品種合わせて年8万トン。営業運転開始は10月末からとなる見込み。これに合わせて中圧の専用タンクの建設工事も同時に完工となる。 同装置の完成によって新日本石油グループのプロピレンの生産能力は、川崎、大阪、麻里布の3拠点合計で年産68万トンとなる。 これに続いては、新日本石油化学が浮島工場内で建設中のOCU装置(メタセシス装置)が今年末に完成する見通し。営業運転の開始時期は来年2月からとなる見込み。この結果、グループ全体のプロピレンの総生産能力は同82万トンに拡大する。販売は全て新日本石油化学が担当していく。 プロピレンの需要は、PP(ポリプロピレン)、PH(フェノール)、AN(アクリロニトリル)、PO(プロピレンオキサイド)など各種誘導品の需要の拡大に歩調を合わせて中国をはじめとしたアジア全域で大きく伸びており、また今後も一段と伸びに加速がつく見通しにある。このため新日石化学では、増産分は全て中国、韓国、台湾といった近隣海外諸国で円滑に消化できると判断している。特に中国の消化力に期待、5,000トンクラスの冷凍船を傭船して安定供給していく計画。これに必要な冷凍タンク(1万2,000立方メートル)も川崎に新設する。 さらに07年中には、新日石精製が仙台製油所内に年産10万トン能力のプロピレンスプリッターを建設、加えてハイ・シビアリティFCC技術によってグループ全体の収率の向上も図り、7年末にはプロピレン外販メーカーとしてはわが国最大の同100万トンの生産体制を確立したいとしている。 |