2005年09月20日
横河電機とダイセル化学「知的生産支援」コンサルティングで協業
3年間で1000億円の生産改善支援めざす
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイセル化学

 横河電機、ダイセル化学の両社首脳は20日記者会見し、化学、石油、医薬業界などの企業を対象に「知的生産支援コンサルティング事業」を協業化することで合意したと発表した。

 ダイセル化学は、1996年から網干工場(兵庫県)で、生産性向上のための長期計画に取り組み、生産工程・運転管理を大幅改善した「知的統合生産システム」を確立。5年間で生産性を3倍、従業員は740人から290人へと60%削減し、余剰人員を新規事業に充てるなど“飛躍的”な生産性の向上・改革を実現した。
 
 横河電機は、初期の段階からこれに協力し、生産管理システムの改善を提案・構築するなど、両社は一体的な関係にあった。こうした両社の経験、手法を活かし、化学だけでなく、石油や医薬、食品などの異業種にも広げていこうとコンサルティング事業を立ち上げた。

 今後3年間で30事業所に対して、総額1000億円以上の生産性改善支援をめざす。
 
【小川大介・ダイセル化学社長】
 網干工場でプロジェクトをはじめた当初は、効果が見えないなどの議論もあったが、負担になっているところからシンプル化しようとやってみた。すると目標の2倍以上の成果が出た。オペレーターの負担も軽くなった。
 これからは新井工場、大竹工場、子会社のポリプラスチックスにもこのシステムを導入していく。網干工場には300社、3000人もの見学者が訪れてくれている。コンサルティングの要請も数多く受けている。日本の化学業界には、国際競争が激化するなか、コスト競争力強化の点でお手伝いできると思う。
 
【内田勲・横河電機社長】
 石油、化学、医薬など製造現場や工場単位にとどまらず、企業まるごと効率改善していくうえでも有効なシステムと思う。当社はこれまでも生産性の向上では、各種計器類から運転、制御システム、MESといったように広範なソリューションを提供してきた。
 今後はダイセル化学の生産改革への手法と、横川電機のソリューションを組み合わせた、知的生産支援コンサルティングを通じて、生産性向上、省力化、品質向上など産業界の競争力向上に貢献していきたい。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1127187315.doc