2005年09月21日
PVCの8月の出荷、国内向けがわずかに前年超え
電線その他向けが引き続き順調な伸び
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が21日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の8月の出荷数量は16万8,303トンとなった。前年同月の実績を1.6%下回っている。生産は17万6,634トンで1.0%増となっている。
 
 総出荷量が前年を割り込んだのは、輸出が7ヶ月振りの前年同月割れの4.7%減となったため。もっとも、8月の輸出の減少について大洋塩ビの日野清司社長は「特別の事情や背景があってのものとは見ていない。それに、もともと輸出の動向は少なくとも四半期単位で捉えて論評すべき性格のものなので8月の実績だけを対象にコメントすることには意味がない」と前置きしたうえで「大切なのは採算の確保だ。さいわい、当社を例に取れば6月をボトムに輸出価格を毎月改善できてきている。今後も数量を追うのではなく採算確保に徹していきたい」と、輸出に関しても収益の追求に的を絞っていく考えを強調した。
 
 一方の国内向け出荷量は前年を0.3%上回った。これは、電線その他用が9.5%もの高い伸びを遂げたことによるもの。電線その他用はこれで6ヶ月連続の前年超えとなった。反面、硬質用と軟質用はともに1.5%減となっている。

 月末在庫は9万3,571トンで、前年同月比8.1%増となった。大手PVCメーカーが定修前に必要な在庫の確保に努めたことによるものと見られる。ただし、信越化学工業の宮島正紀取締役は「業界全体の在庫量は2週間分なので、依然として適正規模を維持できている」と分析している。
 PVCとVCMの8月の生産・出荷実績は別表。

塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1127274532.xls

塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1127274532.xla