2005年09月28日
オレフィン価格、各地で1,000ドル超え
米国のエチレンは1,300ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンター筋によると、オレフィン(エチレンとプロピレン)のスポット価格は先週半ば以降世界各地で全てトン当たり1,000ドルの大台を超えた。

 最も上昇率が高いのは、ハリケーンの2度にわたる襲来で大型石油精製設備と石油化学装置が相次いで運休を余儀なくされている米国で、特にエチレンの高騰が目立つ。8月中旬にトン当たり880ドル前後であったのが先週半ば以降は1,300ドル強となっている。プロピレンはアップ率がエチレンほど高くはないが、それでも120ドル上がって1,200ドル強となっている。

 欧州でもやはりエチレンのスポット相場が急騰、先週末の平均は2週間で200ドル前後上がって1,200ドルがらみとなっている。欧州の相場の高騰には、老朽化している大型ナフサ分解炉のいくつかが運転トラブルを起こしたため需給バランスが急速にタイト化したことが大きく影響していると伝えられている。

 一方、アジア地域の直近の平均価格は、エチレンが1,000〜1,020ドル、プロピレンが1,000〜1,010ドルとなっている。1週間前に比べるとエチレンは20〜30ドル上がっているが、プロピレンはほとんど変わっていない。中国によるポリオレフィンはじめとした誘導品の10月のオファー価格が9月と同じレベルにとどっまっていることが大きな要因と見られる。

 ただし、10月以降は韓国などアジア各国でエチレンプラントの定修理が相次ぐのでエチレンもプロピレンも再騰が必至と見られる。