2005年10月04日
政府はPETボトルの海外流出防止を
帝人ファイバー等が中環審に要望書
【カテゴリー】:環境/安全(経営、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:帝人

 使用済みPETボトルのリサイクル大手である帝人ファイバーとペットリバースの両社は、環境大臣の諮問機関である中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の田中勝部会長(岡山大学大学院教授)に対して、PETボトルの海外流出を防止する対策の審議を求める要望書を提出した。
 要望内容は(1)PETボトル屑の輸出の抑制・禁止(2)市町村が分別収集したPETボトルをトレーサビリティーが確立された指定法人ルートに集約できる制度の導入--の2点。
 
 今回両社がこうした内容の要望書を提出したのは、分別収集された使用済みPETボトルが国内でボトルやユニフォーム等にリサイクルされれば省資源が図れるとともにCO2の排出量削減等の環境負荷低減も実現できるにもかかわらず海外に輸出されるケースが増えている点に強い疑問と不満を抱いてのもの。
 PETボトル推進協議会の推定によると、04年において全国の市町村が中国など海外に輸出した使用済みPETボトルは19万5,000トンに達している。そうした事態に対して両社では、国民が資源の循環を目指して資源ごみ集積所に出したPETボトルを市町村が再資源・再利用することなく海外に輸出することは、循環型社会形成推進基本法から照らしても疑問だとしている。
 
 両社では、世界に先駆けてエネルギー資源生産性が特に高い循環型リサイクル法“ボトルtoボトル法”の事業化を目指しているが、安定操業には原材料の安定確保が不可欠なので同ボトルの国内でのリサイクルを最優先させる政策配慮を強く求めたいと強調している。