2001年09月19日
樹脂業界、米国テロ後の原油、ナフサ価格動向に注目
製品値上げ打ち出しのタイミング探る動きも
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:東洋スチレン

 化学業界各社は、米国テロ事件後の世界経済の動向に注目しているが、「原油やナフサ価格が強含みとなることは避けられない」との見方から、一部では製品値上げのタイミングをはかる企業も出はじめている。
 
 ポリオレフィン業界ではすでに7月ごろから10~12月期のナフサ価格が2万5,000円台に達すると想定し、キロ12~15円の値上げを打ち出していたところが多かった。
 
 しかし、国内需要の冷え込みもあって環境的には打ち出しにくいとする企業もあり取り組みはまちまちだった。
 
 こうしたなか、ポリスチレン専業メーカーの東洋スチレンは「今後の原油、ナフサ価格の動向次第では値上げに踏み切らざるを得ない」とし、値上げ幅や時期などの検討に入った。また値上げ打ち出し後、交渉が進んでいなかった京葉ポリエチレンや他の大手樹脂メーカーは今後交渉を急ぐとしている。
 
 国内景気の先行きに明るさが見えないなかでの交渉だけに難航は必至だが、「これ以上採算を悪化させるわけにはいかない」とメーカー側も表情は真剣だ。