2005年10月07日
汎用樹脂の対中輸出、PPを除き前年割れが続く
8月も1〜8月計も軒並み前年を大幅に下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の中国向け(香港向けを含む)輸出の不振が続いている。8月の輸出通関数量は、合計6品種のうちPPの2品種(ホモポリマーとコポリマー)を除く4品種が前年同月を下回った。いずれも縮小幅が2けたとなっている。1月から8月までの累計もPP以外の樹脂がすべて前年同期を割り込んでいる。
 
 合計6品種のうちHDPEは5ヶ月連続の前年同月割れとなっている。またLDPEとPSは4ヶ月連続で、そしてPVCは3ヶ月連続で前年を下回っている。これらの樹脂業界によると、前年割れが続いている要因は樹脂によって異なるものの、(1)中国の発注量が減っていること(2)中国のオファー価格が安いこと(3)韓国や台湾さらにはサウジアラビアなどとの競争が激化したこと--の3点が共通項として挙げられるという。
 
 一方のPPの場合は、ホモポリマーもコポリマーもともに伸び率が高い点が注目される。PP-Hは38.0%、PP-Cは41.2%それぞれ前年同月を上回っている。PP-Hは2ヶ月連続、今年に入って6度目の前年同月超えである。PP-Cは3ヶ月振り、今年5度目の前年同月超えとなった。いずれも中国の需要が他の樹脂以上に活発で、しかもわが国のPPメーカーの中に輸出余力を残しているところがいくつかある点が大幅増をもたらしている要因と見られている。
 汎用樹脂の8月の中国向け輸出通関数量は別表の通り。


汎用樹脂の8月の 8月の対中 国向け輸出通関数量 単位はトン
    8月 前年比 1〜8月計 前年比
LDPE 中国 5,611 87.6% 50,509 99.1%
  香港 4,278 86.1% 32,930 86.7%
  9,889 86.9% 83,439 93.8%
  輸出計 16,816 88.1% 146,196 93.9%
  中国比率 58.8%   57.1%  
HDPE 中国 8,067 90.6% 57,021 83.2%
  香港 900 78.6% 6,700 97.0%
  8,967 89.2% 63,721 84.5%
  輸出計 14,672 86.2% 104,851 78.2%
  中国比率 61.1%   60.8%  
PP-H 中国 15,182 148.8% 108,309 111.1%
  香港 3,933 107.9% 32,524 138.7%
  19,115 138.0% 140,833 116.4%
  輸出計 28,625 124.3% 234,154 112.2%
  中国比率 66.8%   60.1%  
PP-C 中国 4,045 173.7% 19,865 102.5%
  香港 900 76.8% 7,961 94.4%
  4,945 141.2% 27,826 100.0%
  輸出計 9,402 114.3% 64,286 93.8%
  中国比率 52.6%   43.3%  
PS 中国 1,162 72.3% 11,462 90.0%
  香港 4,071 94.3% 30,603 80.8%
  5,233 88.3% 42,065 83.2%
  輸出計 7,055 78.3% 59,592 85.6%
  中国比率 74.2%   70.6%  
PVC-H 中国 36,207 74.4% 283,825 88.4%
  香港 8,644 107.8% 72,477 101.6%
  44,851 79.1% 356,302 90.8%
  輸出計 62,882 91.5% 492,226 103.5%
  中国比率 71.3%   72.4%