2005年10月07日
旭化成ケミ、SMの10月の輸出価格を底上げへ
対中国向けはトン1,150〜1,200ドルを目指す
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 スチレンモノマー(SM)のトップメーカーの旭化成ケミカルズは、国慶節休暇が終了する来週明けからSMの最大の輸出先である中国の需要家各社との間で10月分の価格について本格的な交渉を開始する。

 9月の価格はトン当たりCFR1,130ドルであったが、10月分は最低でも1,150ドル、できれば1,200ドルに引き上げたいとしている。原料のひとつのベンゼンの10月のアジア地域のコントラクト価格が9月のトン当たり760ドルから840ドルに大きく跳ね上がったのと、エチレンの価格がナフサの急騰で大幅アップが必至となってきたことに対応してのもの。

 SMの現在の需給バランスは、アジア全域でタイト化が進んでいる。同社など大手が相次いで定修に入りつつあるのと、ハリケーンの襲来を受けた米国からの流入が完全に止まっていること、さらには最近の採算悪化に音を上げたSMメーカーの中で減産に踏み切るところが出てきたこと等の要因が重なって供給量が目立って縮小してきているためだ。

 ただし、中国の需要が今年春以降減少傾向にあるので、値上げについてユーザー各社の同意を得るのは必ずしも容易でない。