2005年10月11日
前年割れが続く中国の非汎用樹脂の輸入
1〜8月累計は7品目中の6品目が減少
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国による非汎用樹脂の輸入の低迷が長期化の様相を呈してきた。8月の輸入通関数量は合計7品種のうち6品種が前年同月を下回り、しかもその多くは3〜4ヶ月連続しての前年同月割れとなっている。このため1月から8月までの累計も、1品種を除く全てが前年同期を下回っている。
 年初こそ不調であったがその後は拡大一途にあるポリオレフィンなど汎用樹脂とは対照的な姿となっているわけで、主要供給グループの一角を占めるわが国の非汎用樹脂メーカーの中には先行きに対する不安感を示す向きも出ている。
 
 中国による8月の非汎用樹脂の輸入通関数量が前年同月を上回ったのはPBT(ポリブチレンテレフタレート)だけであった。7月はわずか0.02%ながら前年同月を下回って5ヶ月振りの前年同月割れとなったものの、8月は11.7%もの伸びを遂げて再び前年超えに戻った。1〜8月の累計は前年同期を6.8%上回っている。
 逆に長期低迷が目立つのはEPS(発泡スチレンビーズ)で、今年に入ってからの8ヶ月全てが前年同月割れとなっている。また、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PMMA(メタクリル樹脂)の3樹脂は4ヶ月連続して前年同月を下回り、そしてEVA(エチレン酢ビコポリマー)は3ヶ月連続、ABSは2ヶ月連続の前年同月割れとなっている。
 
 これに伴い、これら6品種は1〜8月の累計も軒並み前年同期を下回っている。EVAとABSは微減にとどまっているが、EPS、PMMA、POMは縮小幅が大きい。6品種全てが順調な伸びを遂げた04年の再現は今年は困難といえそう。

【関連ファイル】
中国の非汎用樹脂の8月の輸入通関実績
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1128985467.xls