2005年10月11日 |
FPC事故の波紋広がる アジア市場“大混乱”予想も |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
6日朝(現地時間)発生した、米テキサス州ポイント・コンフォートにあるFPC社(フォモサ・プラスチック)の第2工場の爆発・火災事故は、エチレン年産155万トンという工場の規模もさることながら、中国をはじめとするアジア各地の市場が、年末の需要シーズンを控えているときだけに、今後の需給への影響は極めて深刻だとする見方が強い。以下、大手商社の声を拾ってみた。 中国では10月1日からの国慶節休暇が先週末で終わり、今週から「商談」が再開される。もちろん休暇中の取引は閑散。このためアジア各地のポリエチレン、ポリプロピレンなどの市況もこの時期は「緩む」のがふつうだ。 ところが今年は、2つのハリケーンに見舞われたアメリカからアジア市場に樹脂の引き合いが殺到した。アジアの樹脂がアメリカ市場に大量に流れるといった、これまではあまり見られなかった現象が起こっているのだ。 このため、国慶節期間中もアジアでは需給バランスはまったく崩れず、市況も高値で推移してきた。 問題は、これからだ。中国の「買い」が本格化してきたときに、果たして供給面でどれだけ応じられるのか。 「今でもメーカーの供給能力は各社手いっぱいの状態。これからの時期は、各国とも年末の生産積み増しが始まり需要は増える。いったんアメリカに流れた玉が、すぐにまたアジアに戻るとも思えない」 「FPCの事故で北米市場のタイト化はますます深刻化するだろう。これからは世界レベルで樹脂の“奪い合い”が始まる。大混乱が生じるのではないか」と、観測する商社さえ出ている。 |