2005年10月11日
三井化学、PTAの対中輸出価格を再引き上げへ
10月渡し分、トン955ドルで早期決着目指す
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は11日、PTAの10月の中国向け輸出価格をトン当たりCFR955ドルに引き上げることにして現地の需要家各社と交渉を開始したことを明らかにした。9月分に対して同50ドルの値上げとなる。

 9月分の価格については、原料PXの高騰に対応して8月分を同35ドル上回る同905ドルとすることで9月末にユーザー各社の同意を取り付けている。同社のオファー通りの上げ幅での決着となったわけだが、PXの10月の価格がさらに大きく引き上げられることが確定したためPTAの10月の輸出価格も再修正することにしたもの。
 
 もっとも、PXの10月の価格は9月よりトン110ドル高の1,060ドルに引き上げられることが決定しているので、本来ならPTAの輸出価格は同75ドルていど底上げする必要があるという。それにもかかわらず同社が同50ドルの修正にとどめることにしたのは、同75ドル上げを強行すると中国のポリエステル重合メーカーや繊維メーカーをかつてない窮地に追い込むことになり中期展望に立つと双方に取って得策といえないと判断したため。
 
 そのかわり同社では、今回はどうしても早期に全てのユーザーから同意を取り付けたいとしている。10月第3週明けの決着を目指し、それまでに同50ドルの値上げで同意を得られない需要家には出荷を見合すこともあり得るとしている。