2005年10月12日 |
アジアでエチレンの相場が急落 |
極東の需給緩和で最安値は880ドルに |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況) 【関連企業・団体】:なし |
大手商社各社によると、先週半ば以降、アジア地域でエチレンのスポット相場がにわかに下降してきた。 特に極東における下落幅が大きい。極東における直近のCFR価格は最も高いケースでもトン950ドル、最安値は880ドルとなっている。同地域のスポット相場は6月初旬の同600ドル強をボトムにその後小幅の振幅を繰り返しながら強含みで推移、9月中旬には今年3月中旬いらい半年振りとなる同1,000ドル超えとなっていた。それが、10月に入って一気に最大130ドルもの下落となっている。 それにつられるように東南アジア地域の相場も下降線をたどっている。同様に同1,000ドルの大台を割り込んで940ドル前後となっている。 反落の最大の要因は、日本国内でSMやPEなどエチレン系主要誘導品設備の多くが10月から11月にかけて相次いで定修に入るため余剰エチレンを台湾や中国に振り向ける動きが活発になってきたことにあると見られている。ハリケーンの襲来とFPCの大型エチレンプラントの火災事故の発生で急速にタイト化が進んでいる米国市場とは対照的な現象を呈している。 各商社とも、アジアのエチレンの市況は誘導品設備の定修が一段落するまで低水準で推移すると予想している。 一方のプロピレンのアジア市況は、誘導品の定修が少ないため極東でも東南アジアでも引き続き同1,010〜1,050ドルの高水準を維持している。 |