2001年09月18日
丸紅経済研が連夜速報で伝える「米国テロの経済への影響」
“原油は再び買われる方向”
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:丸紅

 丸紅経済研究所は、米国で同時テロが発生した直後から米国を中心に各地の情報を集め「米同時テロが世界・日本経済に与える影響」を速報として関係筋に発信しているが、17日に続いて18日夜には米国株式市場や商品市況を中心とした第4報を伝えた。
 この中で17日(現地時間)に取り引きが再開された米国株式市場については「急落はしたが暴落ではない。FRBなどの緊急措置が機能した」と分析、評価している。
 また17日付で発信した第3報では第1報に続いて原油市況への影響をロンドン市場の動きをまじえて伝えており、この中で「原油は再び買われる動きにある」と警戒を強める見方をしている。原油市況に関する報告内容は以下の通り。


<米国同時テロの国際商品市況への影響>

[原油]

◇ロンドン国際石油取引所(IPE)の北海ブレント相場(期近)は、11日に一時1バレル=31ドル台に急騰し、昨年12月以来約9カ月ぶりに30ドル台を突破。その後パニック的な買いは一巡し、相場は28ドル近辺に反落したものの、14日は再び29ドル台に上昇。

◇欧米の景気後退が長引き、原油需要の減退につながるとの見方が短期的弱材料に。

◇週末にかけて市場の関心は、米国によるテロ犯人の確定と報復に集中。

◇テロの背後にイスラム過激派ビンラディンの介在が確認され、潜伏先アフガンへの報復準備が進められるなか、戦争の大規模化・長期化・複雑化を懸念する見方が台頭し、相場は再び強基調に転換。

◇特に、戦火がアラブ諸国に広がれば油田の破壊の恐れがあるため影響は甚大。この場合、中期的な原油供給の中断懸念も考えられ、冬場需要期に向けて投機筋により瞬間的に40ドル近辺まで買われる公算大。

◇ただ、原油が30ドルを超えて高止まるようなら、1、米リセッション→世界への悪影響→原油需要減退 2、OPEC増産、などから中長期的にはむしろ下げ圧力が強まる。