2005年10月17日
韓・台のBPAメーカーが相次ぎ減産へ
中国のEX向け需要の減少と市況の下落に対処
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 台湾と韓国のBPA(ビスフェノールA)メーカーが相次いでBPAの減産に乗り出した。先ずは新規参入メーカーの台湾・長春石化が先行、その後に同・南亜、韓国・LG石化、同・東部石化が続く形となっている。アジア地域でBPAの減産が集中的に実施されるのはきわめてめずらしいこと。

 減産規模はメーカーによって若干異なるが、大手商社の間では平均で20%ていどになると見る向きが多い。これら4社の総設備能力は年68万トンと見られている。したがって当面の減産量は13万トン程度となる計算だ。

 これらのメーカーがBPAの減産に踏み切ったのは、企業に取って最大の消費先である中国のEX(エポキシ)市場の需要が当初の予想に反して低迷し、それに伴い価格も大幅に下落して採算を確保できなくなってきたためといわれる。BPA全体の需要の多くを占めるPC(ポリカーボネート)向けの需要は引き続き着実な伸びを遂げており、このためわが国のBPAメーカーやアジアの先発BPA企業は従来とおりの稼働率を維持している。同じBPAメーカーでも市場基盤の違いで行動パターンが大きく異なってきている。

 市況も大きく異なり、EX向けの直近のスポット価格はトン当たりCFR1,360〜1,370ドルで、PC向けの10〜12月期のアジア・コントラクトプライスを330〜340ドル下回る低水準に張り付いている。これらのBPAメーカーでは、減産によって需給バランスの改善を図ったうえで市況のてこ入れに乗り出す構え。当面同100ドルの値上げを目指すことになりそう。