2005年10月17日
出光興産 青色・緑色有機EL材料 長寿命化に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は17日、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の材料開発で、新たに蛍光型の青色および緑色発光材料で、世界最高レベルの長寿命化に成功したと発表した。

 有機ELディスプレイは、電気を流すと自ら発光しバックライトが不要なため、液晶よりも薄型・軽量化ができる。すでに携帯電話のサブ画面や、携帯音楽プレイヤー等、一部の用途で実用化されているが、用途拡大のためには、さらなる高効率化や大幅な寿命性能向上(携帯電話メイン画面で1万時間、中小型テレビで3万時間)が課題とされている。

 同社は今回、フルカラーを構成する三原色(赤色・緑色・青色)のうち、特にディスプレイ全体の消費電力や寿命に最も大きく影響する青色発光において、材料の分子構造を改良することにより、電流-輝度効率9cd/A(従来材料比約1.3 倍)と、輝度半減寿命23,000 時間(従来材料比約2.3 倍)を達成した。

 さらに緑色発光でも、色の純度を改良しながら輝度半減寿命100,000 時間(従来材料比約2.5倍)という高性能を達成した。

 この結果、携帯電話のメイン画面、カーナビ、モバイルテレビ等へのフルカラー有機ELディスプレイの商品化に大きく寄与できるとしており、06年4月からサンプル提供を開始する予定だ。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1129523560.pdf