2005年10月18日
出光の長寿命化有機EL、用途開発が課題
【カテゴリー】:新製品/新技術(経営)
【関連企業・団体】:出光興産

【解説】フラットパネルデスプレイ(FPD)に使われる有機EL材料の改善は、とくに長寿命化と輝度の向上が課題となっていた。出光興産としては技術的に世界初、最高の水準であるとしている。

 長寿命化に成功した出光からその供給を受ける有機ELパネルメーカーが、これをどのていどのサイズとするか、またどのような用途に使うか。一挙に大型テレビまで行かないにしても、携帯電話のサブ画面や携帯音楽プレイヤーなどのほかにいかなる分野の製品を作るか注目される。カーナビ、モバイルテレビ、デジタルカメラなどがその対象にあげられてはいるが、いずれも液晶をはじめさまざまな既存のライバル製品がみられる。

 製品化された有機ELパネルとしては、今年の春に生産を始めた東北パイオニアのアクティブ型2.4サイズ、テレビに組み込んだソニーの同型3.5サイズなど小型デスプレイがある。また韓国のサムスンはいきなり5月に42型を発表した。続いてセイコーエプソンも4枚セット(張り合わせ)の42型をだした。欧米、韓国、台湾、中国などからも名乗りを上げている。
 国内メーカーを見るとTDK、ローム、TMD、日立でスプレイ、富士電機、大日本印刷、凸版印刷、カシオ計算機、京セラ、豊田自動織機などが計画中である。

 PDP、液晶、FED、SEDなど競合するFPDの中で、有機ELは高精彩で、視野角が広く、バックライトが不要などの特徴があるにしても、有機ELデスプレイの今後の市場展開については、まだコストが高く、拓くべき製品分野の課題が残されている。ただ、中小型のテレビ画面に採用されるのは時間の問題とみられる。

ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1129523560.pdf