2005年10月19日
昭和電工、精密加工砥石用アルミナ系研削材 生産能力を倍増
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は19日、研削が難しい高硬度材質向け研削砥石の原料となる単結晶チタニア固溶アルミナ系研削材(商品名:「シングル モランダムR」)の生産を傾注炉での連続生産方式に変更するとともに、独自の技術改良を加え生産能力を倍増することに成功したと発表した。
 
 すでに本年8月から試験生産を開始し、既存のバッチ方式と比較して研削性能と生産効率の向上が図られることを検証済み。需要家筋にもサンプルを提供中という。

「シングルモランダムR」は、アルミナに少量の酸化チタンを添加することで靭性(粘り強さ)を高め、一般的な研削材である「ホワイトモランダムR」の性能を向上した。これを使用した砥石は、その特性を活かし、主に自動車部品等の精密加工に使用される。

 同社はこの製法変更による生産効率の向上により「シングルモランダムR」の生産能力を現有年産2,000トンから4,000トンに倍増、世界のトップシェアを狙う。

 また「ホワイトモランダムR」の研削寿命の長期化を図った「ピンクモランダムR」についても、傾注炉による連続生産方式に切り替えを進め、品質の改善と生産の効率化を進めていく計画である。

 同社は研削材の生産拠点を、塩尻事業所(長野県塩尻市)と連結子会社である連雲港昭菱磨料有限公司(中国江蘇省)の2カ所にもち、日本及びアジア市場に向けて販売展開している。今後も、研削材の総合メーカーとして積極的な事業展開を図っていく方針だ。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1129684562.doc