2005年10月19日
PVCの9月の出荷は小幅ながら再度前年超えに
輸出の拡大が寄与、月末在庫は今年最小の規模に
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)が19日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の9月の総出荷数量は19万7,209トンで、前年同月比は0.4%増となった。小幅ながら3ヶ月振りの前年同月超えとなった。
 
 これには、輸出が前年同月を5.6%上回ったことが大きく寄与している。国内向けは、硬質用と軟質用が引き続き前年をわずかながら下回ったためトータルが1.6%減となったが、もともと構成比の高い輸出が順調な伸びを遂げてカバーしたため総出荷量は6月いらいの前年超えとなった。輸出は今年1〜9月のうち1月と8月を除く7ヶ月が前年同月を上回っており、1〜9月の累計は前年同期を4.2%上回っている。1〜3月期は1.8%下回ったが、4月以降に盛り返してきており、年計も前年を上回る公算が濃厚となっている。
 一方の国内向け出荷では、電線その他用が0.5%増えて7ヶ月連続の前年超えとなっている点が目を引く。大洋塩ビの日野清司社長(VEC副会長)は「電線の業界でも他の分野と同様に塩ビが見直されてきたことの現われ」と分析している。
 
 こうした結果、月末在庫は前月より10.6%減って8万3,650トンとなった。今年に入っての最小規模で、「輸出比率が他の樹脂以上に高い点を考えるとギリギリの規模」(日野社長ら)と指摘する向きが多い。4ヶ月連続の10万トンの大台割れとなっている。


塩ビ樹脂実績
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1129696728.xls

塩ビモノマー実績
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1129696728.xls