2005年10月24日
LDPEの内需、L-L比率が一段と高まる
1〜9月累計はついに構成比が50%を突破
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 LDPEの国内出荷量に占めるL-LDPEの比率(L-L化率)が一段と高まってきた。9月の内需のL-L化率は 51.7%で、月単位では史上最高となった。前年同月の構成比を3.0ポイント上回っている。
 輸出における構成比も54.0%と高く、この結果9月のLDPEの総出荷量に占めるL-L化率は52.0%とかつてない高水準に到達した。前年同月に比べると3.3ポイントもの拡大となっている。
 
 これに伴い、LDPE全体の今年1〜9月合計の国内向け出荷量に占めるのL-L化率もついに50%の大台に乗って50.1%となった。輸出のL-L化率は52.1%とさらに高く、このため総集荷量のL-L化率は50.5%となっている。ちなみに、昨年の年計のL-L化率は、国内向け出荷が49.9%、輸出が52.1%、出荷計が49.9%であった。
 
 このようにここにきてL-L化にさらに加速がついてきたのは、L-LDPEメーカーの中でも特にメタロセン触媒によるL-LDPEメーカーがC6ならびにC8コモノマーによる機能品種の育成・強化にこれまで以上のエネルギーを投入しはじめてきたためと見られる。
 かつてのL-Lの世界では、C4コモノマー品種によって一般フィルム分野にシェアを広げようとする向きが多数を占めていた。しかし最近では、汎用樹脂とはいえサウジなど中東勢の製品を押し返せる独自のマーケットを確保していかないと生き残れないとの危機感の高まりからハイヤーオレフィン・タイプによって付加価値の高いシーラント分野などに新しい領域を切り開いていこうとするところが急速に増えている。ここにきてのL-L化率の高まりは、そうした努力が少しずつ実を結びつつある点をうかがわせるものと見てよさそう。