2005年10月25日
三井化学、溶剤3品種の値上げ交渉を決着
アセトンとIPAは満額回答を得る
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、かねて国内の溶剤の需要家各社と進めていたアセトン、MIBK、IPAの3品種の価格交渉がこのほど全て決着したと25日発表した。
 
 アセトンとIPAの場合は、同社が希望していた上げ幅が全面的に受け入れられ、いわゆる満額回答による決着となった。上げ幅は、アセトンもIPAもともにキログラム当たり18円。実施時期は10月1日から。一方、MIBKについては同27円の打ち出しに対して同4円低い同23円での決着となった。実施時期は同じく10月1日。アップ率は14%から18%の範囲内となる。
 
 今回の3製品の価格修正は、原料ナフサの第4・四半期の価格がキロリットル当たり4万4,000円に跳ね上がるとの見通しに基づいてナフサ価格の上昇分としてキログラム当たり14円と用役費のアップ分の同4円を製品価格に転嫁することにしたもの。
 これに対してアセトンとIPAのユーザーは、ナフサ価格と用役費の両方のアップ分の転嫁を受け入れることにしたが、MIBKの需要家が上げ幅の圧縮を強く要求して譲らないままきたため最終的にはMIBKに関する用役費の転嫁だけが未達のかたちとなった。
 
 とはいえ、今回の溶剤3製品の価格交渉はこれまでにないスピードでの決着となった。これには、MMAならびに塗料分野の需要が引き続き旺盛なため需給バランスが全体にタイト気味となっている点が大きく作用したといえそう。
 もっとも三井化学では、第4・四半期のナフサ価格が当初の予想をさらに上回って同4万7,000〜4万8,000円となる公算が濃くなってきたので11月中旬に再度の価格修正を検討せざるを得ないとしている。