2005年10月25日
大手商社、ポリオレフィンの輸出価格の底上げへ
トン当たり40〜50ドルのアップをオファーの構え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 わが国の大手商社は、今週末にも相次いでアジア諸国の需要家各社とポリオレフィンの11月の輸出価格の交渉を開始する。各社とも、10月分をトン当たり40〜50ドル上回るレベルに引き上げたい考え。
 
 10月の引渡し価格は、アジア地域の9月のオレフィン価格が大幅に上昇したにもかかわらず各商社や樹脂メーカーの狙いと異なりほとんどの樹脂が極めて小幅の底上げにとどまった。最大の消費国の中国の需要家が国慶節休暇による稼動日数の短縮とそれまでの値上がり分の製品価格への転嫁の遅れを理由に買い注文を極力抑える行動に出たことが響いたといえる。
 
 しかし、わが国のポリオレフィンメーカーはナフサの高騰によって国内向けのみならず輸出の採算も急速に悪化してきたため各商社に11月分の輸出価格の再引き上げを強く求めている。
 また商社の多くも、最近は台湾、韓国、タイのポリオレフィンメーカーが採算面でメリットの大きい南米向けに輸出の多くを振り向ける戦略をとりつつあってアジアの需給が急速に引き締まってきているので中国を中心としたアジア諸国向けの価格修正を実現できる条件は整ってきたと判断している。ただし、最大消費国の中国からの引き合いは依然として低調なので、実際の交渉は厳しいものになると予想している。