2005年10月27日
三井化学、フェノールの生産調整 11月も継続
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 三井化学はPH(フェノール)の生産調整を11月も継続することになった。10月同様に日本ならびにシンガポールの設備の稼働率を85%に抑えていく考え。

 これは、中国を中心としたアジア地域全体の需要がビスフェノールAをはじめ依然として盛り上がらず、引き合い数量もオファー価格もともに低水準に張り付いたままとなっている点を睨んでのもの。

 同社では、PHについても他の化学製品同様にあくまでも採算重視の営業戦略に徹していく構えであり、このためアジア全域の需給バランスの好転が明確なかたちとなって現れるまでは減産を続けていくことになりそう。

 注目の中国向け輸出価格については、11月分をトン当たりCFR920ドルにすべく需要家各社に近くオファーする考え。10月の価格を20ドル下回るが、これは、原料ベンゼンの11月の価格が前月のトン840ドルから710ドルに引き下げられる公算が強いことを視野に入れてのもの。これが受け入れられれば収支バランスが改善できることになる。