2005年10月31日
主要石化品の輸出、9月は全体の5割強が前年割れ
価格の下降に対応して船積みを大幅カットの製品も
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:財務省

 財務省が30日に集計した9月の輸出通関統計によると、主要石油化学製品のおよそ50%強が前年同月の輸出通関数量を下回った。

 中には、PH(フェノール)のように中国からの値下げ要求をそのまま受け入れると完全な赤字輸出になるため大手メーカーが同月の船積みを大幅に縮小した結果、全体の輸出量が54.7%もの減少となったものも見られる。PH以外の製品では、プロピレン、BZ、EDC、AN、PS、ABSなどの大幅減が目を引く。
 
 一方、エチレンの輸出は前年同月を13.0%上回った。国内の主要誘導品設備が定修で運休したことによって余剰となったエチレンを台湾と韓国に振り向けるところが出たため。他の製品ではSM、VCM、EG、PP-Hなどの大幅増が目立つ。

 1〜9月の累計も、全体の5割強が前年同期を下回っている。ただし、縮小幅は9月単月のように大きくはない。前年同期を上回っている製品も、伸び率はEDCなど一部の製品を除いてさほど高くない。
 
 主要石化製品の9月ならびに1〜9月計の輸出通関数量は別表の通り。


品目 9月 前年比 1〜9月計 前年比
エチレン 31,395 113.0% 165,611 70.0%
プロピレン 30,303 64.9% 252,219 103.2%
ベンゼン 12,543 37.3% 249,543 117.5%
PX 180,672 102.0% 1,667,620 111.3%
SM 130,497 175.2% 1,073,036 104.7%
VCM 80,732 162.6% 640,590 114.2%
EG 21,614 153.0% 161,589 117.8%
PH 4,964 45.3% 75,286 124.1%
酢酸 3,585 106.3% 31,472 72.0%
EDC 1,961 19.6% 83,714 149.4%
PTA 45,353 91.1% 438,391 97.4%
AN 10,024 50.5% 134,420 89.8%
カプロ 18,553 98.7% 175,149 84.7%
LDPE 17,099 92.5% 163,294 93.8%
HDPE 14,963 101.6% 119,815 80.6%
PP-H 42,047 156.1% 276,202 117.2%
PP-C 7,219 76.5% 71,506 91.7%
PS 7,191 43.2% 66,783 77.5%
PVC 64,857 111.9% 557,083 104.4%
ABS 18,647 62.9% 168,419 85.6%
PC 19,342 110.4% 149,619 91.7%