2005年11月01日

宇部興産 「炭酸ジメチル」大幅増強

C1ケミカル事業拡大へ

【カテゴリー】：経営（原料/樹脂/化成品） 【関連企業・団体】：宇部興産

宇部興産は1日、宇部ケミカル工場で炭酸ジメチル(DMC)を増産すると発表した。06年6月完成を目指し、年産能力を現有10,000 トンから15,000 トンに引き上げる。同時に蓚酸ジメチル(DMO)年産10,000 トン設備も新設する。 　両製品とも同社独自の「ナイトライト技術」を用い、調達の容易な一酸化炭素(CO)とメタノールを原料にクリーンなプロセスで生産する。 　これに伴い現在、高圧液相ナイトライト法により、蓚酸ジブチル(DBO)を経由して生産している蓚酸の製法転換も実施する。中間原料のDBO を低圧気相ナイトライト法によるDMO のエステル交換(新製法)で製造し、蓚酸を生産する。これにより、廃水・廃液の大幅な削減が可能となり環境負荷が低減できる。 　DMCはリチウムイオン2次電池用電解液や半導体・液晶の現像液などの電子材料用途や安全性の高い溶剤、樹脂原料などとして日本・アジアで需要拡大が続いている。電子材料分野では、宇部興産は世界トップシェアを目指す。 　なお、欧州の製造拠点であるUCHE 社(スペインバレンシア州カステジョン市)では、今年11月からDMCを原料にした高級ウレタン原料のポリカーボネートジオール(PCD )工場を稼動する予定。今後はDMC 及びDMC の誘導体を含めた事業展開を積極的に推進していく方針である。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1130823194.pdf