2005年11月04日
旭ケミ、アンモニア系製品の価格を改定へ
16日出荷分からアンモニアは15円引き上げ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは4日、アンモニア系製品の価格を11月16日出荷分から再修正すると発表した。
 上げ幅は、アンモニアが1キログラム当たり15円。硝酸が同5円。いずれも、昨年春と今年4月に続く3度目の値上げとなる。ア系製品の第3次価格修正の表明はこの日の同社が初めて。
 
 値上げの理由としては、ナフサ価格の高騰を挙げている。同社によると、現在のこれらの製品の価格は今年第2・四半期のナフサ価格(1キロリットル当たり3万6,900円)見合いのレベルをも若干下回るところにとどまっており、そうした中で第4・四半期のナフサ価格が1キロリットル当たり4万5,000以上に跳ね上がることが確実となってきたため安定供給を続けていくにはどうしてもアンモニアで15円、硝酸で5円の修正が必要となってきたと説明している。
 
 アンモニアの需給バランスは、最近になって世界各地で急速に逼迫してきている。これは、北米における天然ガスの高騰によって米国のアンモニアメーカーの中で操業停止に追い込まれるところが相次ぐ一方で、米国の肥料用の需要が急拡大していることによるもの。もともと米国には、国内のアンモニア需要の全てを満たせるだけの生産能力がなく、このためCISや南米諸国からの大量の輸入で不足分をかろうじて補ってきていた。ところが、ここにきてMTBE規制の広がりに伴うエタノール人気の急上昇によってとうもろこしが大幅に増産されるようになってきたため肥料用の需要が急拡大、この結果輸入量が一段と増加し、それに伴いアジア地域への流入が縮小して国内の需給もタイトになってきている。
 今回の値上げは、こうした国際的な需給環境の大きな変化の中での打ち出しとあって実現性が高いといえそう。