2005年11月07日
NEC液晶テクノロジーがバックライトにLED
産業用パネルの無鉛化、ノイズレス化はかる
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEC

 NEC液晶テクノロジー(TEL044-435-1666)は液晶パネルのバックライトにCCFL(冷陰極管)の代わりに発光ダイオード(LED)を使い、広い色空間をサポートする製品の開発を行っている。

 CCFLは蛍光灯と同じく水銀を使っているため、バックライトとしての継続使用が難しくなっている。そこで同社は白色LEDを採用、5-15型までのパネルの製作を実現し、ユーザーとの接触を始めた。

 これにより、半導体製造装置、計測器、カーナビゲータ、印刷などの産業機器やレントゲン、心電図などの医療機器、また駅改札口の表示板といった分野が開拓できる見通しになったとしている。

 とくにバックライトの光源にインバータ回路を使用しないため、高周波電流や高周波ノイズへの懸念がなくなったことが特徴であり、無鉛化に加えてノイズレス化、省エネ化が進められる。

 同社は多様化、高度化するディスプレイニーズに応えるため、3つのコアテクノロジーを展開している。広視野角、高速応答、高輝度、高色度域、高精細など高画質に向けた技術(SFT)、どんな外光環境でも、明るく見やすく鮮明に選べる技術(NLT)、高画質とユーザビリティを追求する適応設計技術である。

 自発光型のLEDはテレビ用液晶パネルや照明用器具、信号機などに広く使われ始めているが、今後は産業用、医療用などにも急速に普及するものとみられている。

 さきに11.1型パソコン用(ソニーのバイオT)にLEDを採用した東芝松下デスプレイテクノロジーは、液晶部、バックライト部、駆動回路部をあわせたユニット部の厚さが2.75ミリと薄く、消費電力も30%削減したという。