2005年11月07日 |
昭電、近紫外および緑色LEDチップの販売開始 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は7日、一般白色照明用途で市場拡大が見込まれる「高出力GaN系近紫外LEDチップ」および、各種表示用や大型液晶ディスプレイのバックライト用に市場が拡大しつつある「高輝度GaN系緑色LEDチップ」の2製品の販売を開始したと発表した。いずれも独自の技術で開発した。製品は11月15日から18日まで東京ビックサイトで開催される「INCHEM TOKYO 2005」に出展する。 【高出力GaN系近紫外LEDチップ】 GaN系近紫外LEDチップは、蛍光体との組み合わせにより白色LEDとして用いられる。現在白色LEDは、青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせが主流で、携帯電話の液晶ディスプレイ用バックライトが主な用途となっているが、赤色および緑色成分が少なく、演色性が低い(太陽光で見た場合との色の違いが大きい)ために、照明用途としては十分ではないとされている。 一方、近紫外LEDを用いた白色LEDは、三原色(赤色、緑色、青色)の蛍光体を混合して使用することで高い演色性が得られることから、一般照明用途での需要拡大が見込まれている。国内の一般照明市場は約1兆円規模。LEDへの代替の進展により大きな市場が創出されることが期待される。 【高輝度GaN系緑色LEDチップ】 GaN系緑色(青緑色~純緑色)LEDチップは、交通信号や各種表示用途に用いられている。また、青色LEDおよび赤色LEDとの組み合わせにより、大型ディスプレイを代表としたフルカラーディスプレイ用途の市場が拡大している。さらに、TV用液晶ディスプレイのバックライト用途が脚光を浴びており、色再現性の高い高性能液晶ディスプレイパネルの開発が活発に進められている。 ただ、緑色LEDは青色・赤色LEDに比べて特性面で見劣りする傾向にあるため、市場からより高輝度で且つ信頼性の高い製品が望まれていた。同社の今回の開発品は、これら市場の要求に応えることが可能な特性を有している。 現在、世界の液晶TV市場は年間14百万台だが、今後はさらに伸びることが予想されている。また、そのバックライトが冷陰極管(CCFL)からLEDに置き換わることで、大きなLED市場の創出が期待される。 昭電はGaN系LEDチップで、近紫外から純緑色までの波長範囲の製品群を揃えた。また、既に事業化している四元系高輝度LED (黄緑色〜黄色〜赤色)等と合わせて、近紫外領域から可視光領域の全色および赤外領域で、高出力・高輝度LEDをラインアップし、多様な市場の要求に対応できる体制を構築した。 今回開発した2製品は、既に青色LEDチップを事業化している千葉事業所で11月から生産を開始した。同事業所には月産30百万個の高出力GaN系LEDチップの生産設備を設置済みだが、今後も引き続き生産体制の強化に取り組む。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1131333854.doc |