2005年11月08日 |
三井化学、PTAの対中価格を若干引き上げへ |
10月分は920ドルで決着、11月分は930ドルを提示 |
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:三井化学 |
三井化学はこのほど、中国のポリエステル重合メーカーなどPTAの需要家各社との間でPTAの10月分の輸出価格交渉をまとめた。 決着価格はトン当たりCFR920ドルで、9月分を15ドル上回っている。もっとも同社の希望価格は同955ドルであったので、目標価格に対しては35ドル安ということになる。原料PX(パラキシレン)の10月の価格が9月比110ドル高の1,060ドルに引き上げられたため、PTAの輸出価格もそれ見合いの底上げを狙ったが、中国側ユーザーの強い反対で実現できなかった。 このため、11月分については10ドル高の930ドルを打ち出して先週から現地の各需要家と交渉を開始している。PXの11月の価格は10月と同じレベルに据え置かれることが決まったが、10月のPTAの輸出価格が目標を下回ったことで逆ザヤとなったため再度底上げに挑戦することにしたもの。 しかし中国のPTAの需要は、ポリエステル繊維の輸出と国内需要の双方がともに低迷しているため9月をピークに縮小の傾向にある。これには、5月をボトムにPTAの価格がPXの高騰に伴って急上昇してきたことも大きく影響していると見られている。 三井化学では、同国の需要の急回復は期待できないと判断しており、このため今月から岩国工場のPTA設備(年産72万トン能力)の操業短縮に踏み切っている。減産率は30%というかつてない高率だ。差し当たり11月一杯はこのレベルを維持し、中国の需要が回復しなければ12月も生産量を同じ水準に据え置く考え。台湾のBP・CAPCOも同じ理由から減産を実施中。 |