2005年11月08日
カネカ、塩素含有アクリルグラフト共重合樹脂を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ

 カネカは8日、一般的な塩化ビニル樹脂の製造プロセスを用いながら、塩化ビニル樹脂(PVC)の一次構造を変性させた新たな塩素系樹脂の開発に取組み、その結果、アクリル分子鎖を完全にグラフト導入させることにより、塩素系樹脂とアクリル系樹脂の特長を有する新たな塩素系アクリルグラフトポリマー「プリクトマー」(製品名)の開発に業界で初めて成功したと発表した。

 塩ビの柔軟性を確保するには可塑剤を配合することが一般的な方法だが、アクリル酸ブチルポリマーをグラフト導入することにより、可塑剤を配合しなくても、
(1)半硬質、軟質塩ビ同等の物性が得られる
(2)ミクロ相分離構造を有し、透明感のある成型品が得られる
(3) 従来の塩ビ系樹脂に比べ溶融流動性が高く、耐熱性、耐候性に優れている
などの機能が発現され、塩ビ特有の透明性、難燃性、成形性等を損なわずに、屋外で使用しても黄変、強度低下し難い特長を併せ持っているため、硬質から軟質までのシート・フィルムなど広い分野への展開が期待できる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1131445083.doc