2005年11月09日
旭化成ケミ、増収・増益の中間決算
膜関連製品の伸張が大きく寄与
【カテゴリー】:人事/決算(経営)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズの藤原健嗣社長は9日に記者会見し、06年3月期中間決算の概要と通期の業績見通しを明らかにした。

 中間期の業績は、売上高が前中間期比452億円(16.5%)増の3,188億円、実質営業利益が同27億円(16.4%)増の193億円で、増収・増益の決算となった。

 一方の通期の予想は、売上高が前期比898億円(15.7%)増の6,600億円、実質営業利益が同40億円(12.5%)増の360億円となっている。当初の予想に対しても、売上高は270億円、実質営業利益は10億円の上積みとなる。

 藤原社長は、このうちの中間期の業績について「リチウムイオン2次電池用セパレータ〔ハイポア〕や限外ろ過膜・精密ろ過膜〔マイクローザ〕などの膜関連製品を中心とした高付加価値製品が順調な伸びを遂げたのが増収・増益の大きな要因」と説明。さらに「この結果、超高分子量ポリエチレン等も含めた高付加価値製品の売り上げ構成比は50%に近づいてきた」と述べ、かねて重要課題に掲げている高付加価値製品事業の充実・強化が着実に実現しつつある点をく強調した。

 ただし、汎用品の各種モノマー部門については「原燃料の大幅な高騰の影響が大きく、狙い通りの業績を上げれないままきており、今後に課題を残している」と語り、早急に価格修正を実現する考えを示した。

 また同社長は、「今後は戦略設備投資を積極的に進めていくことが重要」と前置きして、膜関連製品やプロピレン、さらにはベンゼンの増産計画も披露した。今中間期の設備投資額は116億円。通期で305億円(前期は248億円)を予定している。

 現在建設工事が進行中の主な設備投資案件は以下の4件。
○精密ろ過膜「マイクローザ」製造設備の能力増=年産2万本から3万本へ。今年11月完工。
○新プロピレン製造設備(オメガプロセス)の新設=06年3月完工。
○アルファプラント増設によるベンゼンの増産=06年3月完工。
○リチウムイオン2次電池用セパレータ「ハイポア」製造設備の年3,600万平方メートルへの増強(計3倍に)=06年7月。