2005年11月11日 |
経産省、来年度から4年計画で「RING3」を推進へ |
H-NGLスプリットやC3増産技術開発等を支援 |
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省は、単独企業ベースでは実現が容易でない石油コンビナートの生産性の向上と環境負荷の低減を後押しするため石油精製企業と石油化学企業による高効率生産技術や高付加価値原料製造技術の開発と実証を支援していくことにして財務省に予算要求した。 関係筋によると、(1)重質NGLを効率よくセパレートして石油化学原料と灯軽油を経済的に得る技術(2)C2とC4からプロピレンを高効率で製造する技術(3)水素を効率よく回収して有効利用する技術等が具体的な技術開発テーマの有力候補となっているもよう。いずれも、石油コンビナート内の石油精製企業ならびに石油化学企業の国際競争力の強化と地球環境保全(環境負荷の低減)に極めて重要な役割を果たすとの期待が大きい技術。 これまで同省では、石油精製企業と石油化学企業が国際競争力強化を目的に平成12年に設立した技術研究組合「石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)」の活動を積極的にバックアップしてきた。 平成12年度から14年度までの第1次プロジェクト(RING1)では原材料や製品等を最適な状態で融通しあうための共同運用インフラの整備等を、また15年度から17年度までの第2次プロジェクト(RING2)では主としてコンビナート内における未利用副生成分の高度有効利用の技術開発を、それぞれ資金面でバックアップしてきた。 今回のプロジェクトは、こうしたRING1やRING2以上に強力な企業連携を基盤に据えて原料供給から石油化学製品の生産に至るまでの全体システムの最適化を推進していくことにしている点が大きな特徴。 開発推進期間は平成18〜21年度の3年。初年度の予算要求額は60億円と推定される。同組合を事業主体として指定したうえで補助金を交付していく。補助率は3分の2となりそう。同組合を構成するコンビナートのうちどこが対象に選ばれるかは明らかでないが、基盤技術の保有状態や企業連携の密度の濃さなどを条件に数箇所に絞り込まれる見通し。 |