2005年11月14日
SMの11月の輸出価格、CFR1,000ドルに
BZ安もあって10月分を100ドル下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 わが国のSM(スチレンモノマー)メーカーの11月の輸出価格はトン当たり約CFR1,000ドルとなったもよう。多くのSMメーカーが1,040〜1,050ドルでオファーしたが、中国などアジア諸国の需要家が強く反発してきたため40〜50ドルの譲歩を余儀なくされたという。
 
 10月の輸出価格は月平均で1,100ドルであった。したがって11月は100ドル前後の下降ということになる。もっとも関係者の間には、主原料のベンゼンの11月の価格は10月比175ドル安の665ドルとなっているので、SMの輸出価格の100ドルの値下げはSMメーカーにとって許容範囲内と分析する向きが少なくない。
 
 問題は、最大の消費国の中国の需要が10月以降低迷状態にある点といえる。米国品の流入がハリケーンの影響等で中断しているため現在は需給バランスが大きく崩壊するまでには至っていないものの、PS向けやEPS向けの需要が予想に反して縮小傾向をたどっている点は中国向け輸出比率の高いわが国のSMメーカー各社に取ってはやはり軽視できないところ。年末にはSHELL/CNOOCの年産55万トンのSMプラントが完成するので、環境は一段と厳しくなりそう。