2005年11月15日
電化、下期は機能樹脂、電子材料、樹脂加工に重点
9月中間決算、全部門で黒字達成
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:電気化学工業

 電気化学工業は14日、06年3月期9月中間決算を発表した。席上、晝間敏男社長は「上期は安定的に推移、財務体質改善が確実に進んだ。連結の営業収支はトントン、単体はプラス。対売り上げ利益率は9%で目標の10%まであと少しだ。下期は原燃料費の大幅アップなど課題があるが、増収増益を目指したい」と大要、以下のように語った。
 
 上期はスチレンモノマー(SM)を中心に合理化を進め、2ケタ以上達成した。償却がおおむね終った。半導体封止材の球状シリコンが売れに売れた。環境への対応でシンガポールでの増設を決めた。
 
 合成ゴムはクロロプレンゴム(CR)の中国向けアンチダンピング問題が穏当に解決した。世界需要の年間24万ー25万トンに対して当社は4分の1から5分の1をキープしている。
 
 特種ゴムの「ER」は、まだ規模が小さい。ディーゼルターボ用エアホースが欧州で伸び、日本にも及んでいるので、いまの2倍はいくだろう。
 
 関節機能改善剤のスベニール(ヒアルロン酸)は、やっと2系列とも動いた。今夏のシェアは約25%だったが、30%はいくだろう。能力の700万本までもう少しだ。
 
 上期はカーバイド系部門の業績が安定、全部門ともプラスになった。
 下期は機能樹脂、電子材料、樹脂加工に重点を置く。機能樹脂はシンガポールの増設が進んでいる。いまの180億〜190億円のペースを500億円に引き上げる。電子材料はよくなってはいるが、業績に寄与するところまで持っていく。樹脂加工も1年前から力を入れている。いずれも力を出し切っていない。成長すればよくなる。
 
 通期では連結売上高で対前期比240億円増の3,040億円、営業利益で同14億円増の270億円、経常利益で同21億円増の240億円、当期純利益で同14億円増の150億円と、4期連続の増収増益を予定している。