2001年09月13日
電気化学のコンクリート急結剤、「台湾新幹線」に採用
海外市場開拓に弾み
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友商事、電気化学工業、丸紅、三井物産、三菱商事

 電気化学工業が開発したのコンクリート吹き付け急結剤『デンカナトミック』が、台湾で建設工事の始まった、台北—高雄間を結ぶ高速鉄道(新幹線)に採用され、同社では現地に向けて本格出荷を開始した。

『デンカナトミック』は、トンネル掘削工事用に開発した特殊セメント混和剤で、セメントに吹き付けると、セメントが急速に硬化し、強度も高くなる性質をもっている。国内では日本道路公団やJR各社向けなどに市場をほぼ独占してきたが、海外向けはベトナムやインドネシアなどに多少実績があるだけだった。今回の台湾向け大型受注で海外市場開拓にも弾みがつくと同社では期待している。

 台湾の高速鉄道プロジェクトは2000年12月、三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事の商社連合が欧州連合との激しい競合を制して落札、調印したもので、台北—高雄間345キロメートルに日本と同じ仕様の新幹線を走らせる。開業は2005年10月の予定で、総所要資金は1兆5,200億円。

 土木など基礎部分の工事が大手ゼネコンの大林組などによってこのほどはじまったが電気化学の吹き付けセメント急結剤はとくに工事が難しいトンネル内のコンクリート補強用として工事会社の評価を得ているという。