2005年11月16日
PVCの出荷、10月は前年同月の2.4%減に
輸出は引き続き好調で11.7%増
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が16日に集計したPVCの10月の総出荷数量は18万3,162トンとなった。9月は前年同月を0.4%上回って3ヵ月ぶりに前年同月超えとなったが、10月は2.4%減となって再びマイナス成長に転じた。
 
 これは、国内向けの硬質用、軟質用、電線用その他の3部門全てが不振であったことによるもの。「9月に発生した前倒し需要の反動が出たせいかも知れない」(中原茂昭・トクヤマ社長、日野清司・大要塩ビ社長ら)と分析する向きが多い。国内向けの今年1年の総出荷数量については、「昨年の147万トン弱を3万トン程度下回る」(日野社長ら)と予想する首脳陣が多くを占めている。
 
 一方の輸出は10月も引き続き好調で、11.7%増となった。今年に入ってからの10ヶ月のうち1月と8月を除く8ヶ月が前年同月超えとなっている。
 ただし、最近は中国市場でカーバイド法の企業が価格攻勢を強めているので苦戦を強いられているようで、このため「今後は他のアジア諸国や中東、ニュージランドなどより幅広い地域に安定市場を確保していく必要がある」(日野社長)との考えが同樹脂業界の間に広がっている。
 
 生産量は18万6,020トンで前年同月を1.5%下回っている。この結果、10月末の在庫は、引き続き10万トンの大台を大きく割り込んで8万6,508トンとなっている。
 またVCMの10月の出荷数量は、輸出の好調が効いて0.5%増の23万4,750トンとなった。3ヵ月連続の前年同月超えである。国内向けは0.2%減、輸出は3.5%増であった。生産は0.2%増の24万9,310トンとなり、この結果、月末在庫は前月をさらに1.0%下回って6万543トンとなった。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1132127121.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1132127121.xls