2005年11月18日
中東ナフサのプレミアムが大幅な増額に
サウジとアブダビがともに押し切る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 日本、韓国、台湾などアジア地域の大手商社や石油ならびに石油化学企業等がサウジアラビアおよびアブダビの石油公社との間で個別に進めていた石油化学用ナフサの来年の取り引き分のプレミアム価格交渉がこのほど相次いで決着した。サウジアラビアとアビダビがともに大幅な増額を主張、それに対してユ−ザー各国とも強く反発して繰り返し譲歩を迫ったがこれまでにない強硬な姿勢を突き崩せず小幅の修正を引き出すにとどまったという。
 
 今回決定したのは、サウジアラムコが06年1月から6月までの半年間の供給する3品種とアドノックが06年1月から12月までの1年間に引き渡す2品種のプレミアム金額。

 サウジの3品種については、A-180(ライトナフサ)がトン当たり18ドル、ラビーグのフルレンジナフサが同14.5ドル、ジュベールのフルレンジナフサが同13ドルに決まった。今年下半期分に比べると、A-180は同4ドル、ラビーグのフルレンジナフサは4.75ドル、ジュベールのフルレンジナフサは同4.5ドルそれぞれ高くなった。

 一方のアブダビの2品種のプレミアムは、ライトナフサが同21.5ドル、フルレンジナフサが同16ドルに決定した。直近の今年7〜来年6月分に対比するとライトナフサは同2.5ドル、フルレンジナフサは同2ドルの値上げとなる。

 いずれも、MOP/j(プラッツオイルグラムのC&F/ジャパンの中値)からフレートを引いた金額に上乗せされる。先に決まったクウェートの05年12月〜06年11月分のプレミアムも、直近の金額の2ドル高となっている。これに伴いわが国の石化業界は、来年も中東産ナフサについては今年以上のプレミアムプレッシャーを受けることになる。