2005年11月21日
L-LDPEの出荷、前年同月超えが続く
10月も5.4%増と好調、フィルム以外が著増
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の10月の総出荷数量は8万62トンで、前年同月を5.4%上回った。これで同樹脂の出荷は3ヶ月連続の前年同月超えとなった。前年同月割れが続いた上期とは大きく様変わりしている。
 
 L-LDPEの10月の出荷の内訳は、国内向けが7万719トンで前年同月比1.7%増、輸出が9,343トンで同45.2%増となっている。国内向けは3ヶ月連続の、輸出は2ヶ月連続の前年同月超えである。
 うち国内向けの出荷で注目されるのは、かねてから国内向け出荷全体の7割前後を占めているフィルム用が前年同月を3.6%下回っている反面、フィルム以外の品種、すなわち加工紙用、電線被覆用、パイプ用、押出成形用--等がいずれも大幅な伸びを遂げている点だ。これらの品種の多くは4〜5月から前年超えを続けている。長年にわたって専らフィルム用の伸びに並行して拡大してきたL-LDPEだが、ここにきて需要構造に変化が生じてきたといえる。
 
 1月から10月のまでの出荷の累計でも、これらの品種は前年同期を大きく上回っている。加工紙用は7.4%増だが、他の品種は押出成形用が15.3%増、パイプ用が28.9%増、電線被覆用が31.0%増といずれも大幅な伸びを遂げている。
 ただし、最大消費品種のフィルム用は3.5%減となっており、これが響いて総国内出荷量は前年同期を1.8%下回って66万9,881トンにとどまっている。輸出は2.0%減の8万7,972トンで、この結果、総出荷数量は1.8%減の75万7,853トンとなっている。なお、低密度ポリエチレン全体の出荷に占めるL-LDPEの比率は50.5%で、H-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)をわずかながら上回っている。