2005年11月21日
三菱化学・東電・JFEの3社 ジメチルエーテル利用技術を共同研究
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 東京電力、三菱化学、JFEホールディングスの3社は21日、次世代燃料として注目されている、ジメチルエーテル(DME)の利用技術について共同研究を行なうことで合意し、このほど現地工事を開始したと発表した。

 DMEは、オゾン層破壊の懸念がないため、フロンの代替としてスプレー噴射剤等に利用されているが、天然ガスや石炭、バイオマス燃料などさまざまな原料から製造できるうえ、燃焼過程で黒煙や硫黄酸化物が発生しないなど、エネルギーセキュリティおよび環境の観点から、燃料としても注目されている。

 3社は、三菱化学筑波事業所内に、DMEの貯蔵タンクや気化器等の設備を設置し、既設の産業用ガスタービン発電設備とボイラ設備をDME焚き仕様に改造して、燃焼試験を実施する。運転性能、排ガス特性などの技術評価のほか、経済性についても評価する。

 東京電力は、新たなエネルギーソリューションメニュー候補の一つとして総合的評価を行うため、研究計画の策定とガスタービン発電設備の燃料転換・性能評価試験研究を担当する。

 三菱化学は、試験場所を提供し、ボイラ設備の燃料転換や性能評価試験研究を担当する。

 JFEホールディングスは、これまでのDME製造技術開発(DME直接合成法)や利用技術開発を活かして燃料の性状および輸送に関する研究を担当する。
 
【DME共同研究の概要】
1.研究期間:平成18年2月(燃焼試験開始)〜平成19年3月
2.研究場所:三菱化学筑波事業所(茨城県牛久市東猯穴町1000)
3.研究内容
 (1)産業用ガスタービン発電設備燃焼試験
 (2)小型貫流ボイラ設備燃焼試験
 (3)燃料の性状および輸送に関する実証研究

4.設備仕様
○貯蔵タンク
形  式:横置円筒型 42トン(設計圧力:1.77MPa、設計温度:40℃)

○気化器
型  式:蒸気多管式竪型(気化能力:3.2トン/h、使用圧力:1.7MPa)

○産業用ガスタービン発電設備
型  式:排熱回収ボイラ付ガスタービン発電機(最大出力:4MW)

○小型貫流ボイラ設備
型  式:多管式貫流ボイラ(最高使用圧力:1.96MPa)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1132544636.doc