2005年11月21日 |
台湾のPTAメーカーが大幅減産へ |
年212万トン設備のうちの130万トンを停止 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
わが国の大手商社が入手した情報によると、台湾の大手PTA(高純度テレフタル酸)メーカーのキャプコは20日、PTA第6号機の操業を休止した。設備能力は年産70万トン。 同25万トン能力の第2号機と同35万トンの第3号機に続く休止措置で、この結果、同社のPTAの生産能力は、従来の同212万トンから一気に82万トンまで縮小したことになる。 同社がこうした大幅減産に踏み切ったのは、最大消費国の中国の需要が長期低迷状態に陥っていて価格も低水準に張り付いているため作れば作るほど赤字が増える悪循環となっているからと見られている。原料PX(パラキシレン)が高止まりしていることも要因のひとつになっているもよう。 台湾では、同社のほかFCFCも同じ理由から大幅減産を検討中といわれる。また、日本ではすでに三井化学が国内設備の操業率を70%に引き下げる措置を取っている。 アジア地域におけるPTAの需給バランスと市況は、中国のポリエステル繊維の欧米への輸出によって大きく左右される構図となっている。現在は、ポリエステル繊維輸出が不調で、また国内需要も輸出の落ち込みをカバーするだけの目立った動きがなく、このため台湾や日本のPTAメーカーやEGメーカーに対する引き合いは一段と縮小している。 それだけに、キャプコなどPTAメーカーの大幅減産で中国市場の需給がどこまで引き締まってくるかが今後の大きなポイントとなる。 |