2005年11月21日 |
原油価格の影響調査、価格転嫁」困難」7割占める |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経産省はこのほど、原油価格上昇の影響について「総じて見ると、前回調査(9月)に比べて、経営・収益への影響は大きく深刻化していると言えないものの、価格転嫁が困難とする企業の割合が増えている」とする調査結果をまとめた。 調査は、大企業は原油・石油製品の投入比率の大きい9業種・55社を対象、中小企業への影響は製造業、建設業、運輸業、小売業など1,673社を対象に行なった。 調査期間は10月27日〜11月16日。この間、ドバイ原油価格はバレル当たり50.20ドルから55.05ドルと変動した。報告内容は要旨次の通り。 大企業では、原油・石油製品の投入比率が大きい影響懸念業種(化学、板ガラス、繊維及び紙・パルプ)には、経営・収益への影響に若干の広がりが見られ、価格転嫁も一部で厳しくなっている。その他の業種(鉄鋼、自動車・自動車部品、アルミ及びセメント)でも、経営・収益への影響に若干広がりが見られる。 化学企業は、前回調査と同様、約9割が「一定の影響」と回答。価格転嫁については、「できている」または「ある程度できている」と回答した企業は前回の約5割から、今回約4割に減少した。今後の見通しについては前回と同様、約7割の企業が「困難」または「やや困難」と回答している。 中小企業では、前回調査より広がりが見られ「大きく圧迫」及び「やや圧迫」の合計は約6割から約7割へと増加した。価格転嫁困難は約9割に上っている。 業種別に見ると、石油製品、クリーニング、繊維染色業はほぼ全ての企業で、運輸業、プラスチック製品製造業などでは、9割前後の企業で収益が圧迫されている。 一方、石油の大手元売6グループと販売業者(380社)を対象にした、ガソリン等の転嫁状況に関する調査では、石油精製業ではガソリン、軽油及び灯油では、前回調査と同様、転嫁率は60〜100%の範囲となっているが、重油及び潤滑油は0〜100%とばらつきが見られる。 石油販売業では、小売価格への転嫁は、全油種平均78%(前回は63%)となっている。原油価格の上昇分は石油精製業、石油販売業及び最終需要家がそれぞれ負担している状況に変化はない。 |