2005年11月24日
米のBZメーカーが12月分を高値オファー
SMメーカーなどユーザー各社は強く反発
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 米国のBZ(ベンゼン)大手のエクイスターとエクソンモービルはこのほど、SM(スチレンモノマー)メーカーなど米国の大手需要家に対してBZの12月のコントラクト価格(USCP)を若干引き上げたい旨を通告してきた。
 
 両社のノミネーションの内容には若干の差異があるようだが、11月のUSCP比ガロン当たり10セント前後のアップを表明しているという。同245〜250セントが希望価格のもよう。トン当たりに換算すると735ドル前後ということになる。
 
 BZのUSCPは毎月末に決定されるが、11月分は世界全体の需給の緩みを反映して10月分をガロン当たり75セント下回る同235セント(トン当たり705ドル)に引き下げられた。今年の最高値の4月に比べると実に同152セントもの下落となった。これには、最大の消費分野であるSM向けの需要が8〜10月におけるBZの高騰もあって世界各地で大幅に縮小したことが大きく影響したといえる。
 SMの需要はその後も低調で、したがって国際スポット相場も低水準に張り付いたままとなっている。それにもかかわらず、エクイスターやエクソンモービルが値上げを通告してきたのは、あらかじめ高値のオファーをしておかないとユーザー各社から11月をさらに大きく下回るレベルへの引き下げを強く求められて寄り切られることになると判断したためではないかと見られている。
 現に需要家各社はこのオファーに強く反発しており、話し合いは難航が必至の見通しとなっている。