2005年11月25日
新日鐵化学もSMを減産
SMIは減産率を一段と強化
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学はこのほど、SM(スチレンモノマー)の生産調整に踏み切った。フル稼働を続けてきた年産19万トン設備の操業率を85%に引き下げている。
 
 理由については、ナフサの高騰に伴う各種原燃料価格の急上昇によって採算が悪化してきたためと説明している。操業率を引き下げることによって生じるコストアップ分と高稼働率維持のために高値の原料を使い続けることによって受けるコストの拡大分を比較した結果、15%の減産が合理的との結論になったよう。同社では、来年3月まで85%操業を続けていく構え。
 
 アジア地域では、同社に先駆けてインドネシアのSMIが2系列合計年産36万トンのSMプラントのうち同12万トン能力の1号機を原料高のため9月から運休、さらに最近は同24万トンの第2号機も稼働率を大幅に引き下げている。現在の第2号機の稼働率を75%前後に抑え、採算が確保できない中国向け等の輸出は見送って国内需要を満たすことに徹していているもよう。
 
 最近のアジアのSMの需給バランスは、米国品の流入が止まったためタイト化が進んでいる。両社の減産によって一段と拍車がかかることになりそう。