2005年11月28日 |
プライムポリ、中期経営計画を発表 |
付加価値分野比率70%等、高い目標を設定 |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:プライムポリマー |
プライムポリマーの木村峰男社長は28日、濱田眞治副社長とともに記者会見して同社が最近取りまとめた中期経営計画の概要を明らかにした。 同社は今年4月の発足時に(1)企業理念(2)経営目標(3)必要な視点(4)基本戦略(5)根ざすシナジー効果--の計5項目で構成される経営基本概念を取りまとめてその概要を公表、いらい、その内容をベースとする具体的な中・長期の課題についてその後の急激な経営環境の変化も新たな判断材料に加えながら検討を進めてきていた。今回はそこで得られた結論を整理して発表したもの。 最も重要なポイントの一つは、《成長の方向》として[付加価値分野の拡大]を掲げ、そして具体的な目標として、現在40%のレベルにある付加価値分野の占める比率(数量比)を08年度に50%に引き上げ、さらに10年度には70%まで持っていく旨を明示している点だ。 もう一つの大きなポイントとしては、《原料の高騰等のより厳しい環境認識に基づく経営目標》として[連結ROSとROA目標][合理化シナジー目標][省力目標]--の三つの大きな経営目標を新たに設定している点が挙げられる。ROSの目標は、2010年度で本体が5%、連結が6%となている。ROAの目標は本体が8%、連結が10%に設定されている。合理化シナジーについては、従来掲げていた08年度100億円にとどまらず、2010年度に200億円を実現するとしている点が注目される。省力の目標は2010年度で20%以上となっている。 一方、基本戦略に関しては、4月にまとめた三つのテーマ、すなわち「アジア基準を目指すコスト構造改革」「ボーダレス化に応じた事業基盤強化」「差別化強化のための選択と集中」--の3項目それぞれについて具体策を肉付けした内容を紹介している。 例えば、「コスト構造改革」では銘柄の削減、生産再配置、設備統廃合などを、また「ボーダレス化対応の基盤強化」では付加価値分野への集中と不採算分野からの撤退、PPの自動車材事業の世界4極体制の強化・拡充、サイアムセメント・グループなど内外の有力メーカーとの提携による基盤強化等を、そして「差別化強化」では新メタロセン触媒による付加価値品種の開発・上市等を強力に推進していく考えを示している。 うち、銘柄の削減については、PPの場合で現在の380種を2年内に250種に、PPコンパウンドで1,600種を1,200種に、またHDPEでは100種を80種にそれぞれ縮小する計画という。 また今回の中計では、新価格体系の確立を重要課題の一つに掲げている点も目を引くところといえる。価格の公平性・納得性を高めるためナフサ連動フォーミュラー化をさらに広げていき、しかもそれをきちんと四半期ごとに見直していきたいとしており、今後自動車メーカー等の有力ユーザーの説得をどう進めていくかが注目される。 |