2005年11月29日 |
出光興産とソニー、有機ELディスプレイ用材料を共同開発 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:出光興産、ソニー |
出光興産とソニーの両社は29日、次世代ディスプレイデバイスとして注目されている、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ用材料を共同開発することで基本合意したと発表した。また、両社は、共同開発を促進するため、それぞれが保有する優れた有機EL 関連材料特許、デバイス特許を相互に利用しあうことでも合意した。今後はそれぞれの有機EL 関連ビジネスに活用する予定。本契約は2006年1月頃を予定している。 出光は、自社の分子設計・有機合成技術を応用して、1997年に当時世界最高輝度の青色発光材料を開発し、以来、最先端の発光材料を継続的に開発してきた。現在、中大型ディスプレイにも適用可能な材料開発を進めている。また、有機EL材料の性能を最大限に発揮するための材料組み合わせ技術や有機ELデバイス化技術の開発にも取り組んでいる。 ソニーは、独自の低温ポリシリコンTFT 技術をベースに、有機ELに関する多くの材料およびデバイス技術を開発し、2001年には13型フルカラー有機ELディスプレイパネル、03年には24型の試作機を開発。また、04年9月からは3.8 型を携帯情報端末に量産搭載しており、現在、中大型ディスプレイの実現に向けた技術開発を進めている。 今回の共同開発では、出光とソニーが保有する有機EL 関連技術を融合させることで、発光効率の向上による低消費電力化や高精細HD 映像時代に対応できる輝度や発色性、高速応答性、長寿命化などを実現する新たな有機EL ディスプレイ用高性能材料の開発を行なう。 また、今回の合意により、両社が保有する有機EL 関連特許技術の相互利用も可能になる予定。出光が保有するデバイス技術をソニーが、ソニーが保有する材料技術を出光が利用できるようにすることで、共同開発が促進され、両社の材料ビジネスやデバイスビジネスをスムーズに進めることが可能になる。 ◇天坊昭彦・出光興産社長 「世界最高レベルのディスプレイ開発力を有し、有機EL を次世代ディスプレイの最有力候補として位置づけているソニーとの協力関係構築は、材料メーカーにとっても大変光栄に思う。同社の優れたディスプレイ技術と、当社の材料技術の融合は、有機ELディスプレイの開発を大きく前進させるものと確信している」 ◇中鉢良治・ソニー取締役代表執行役社長 「有機EL の材料開発などで世界トップクラスの技術力を有する出光興産とともに技術開発を進められることを、大変光栄に思う。当社は、有機EL ディスプレイを、次世代薄型ディスプレイの最有力候補として位置付けており、同社との共同開発は、優れた有機ELディスプレイの開発を加速し、応用製品の商品化を大きく前進させるものだ」 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1133248448.pdf |