2005年11月30日
化学品の11月の輸出、半数が前年割れ
樹脂は主要品種8種のうちの5種が減少
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 財務省が30日に集計した11月の輸出通関実績によると、主要化学品のうちのほぼ半数が前年同月の実績を下回った。9月とおおむね同様の状態といえる。なかでも汎用樹脂は不振が目立つ。合計8品目のうちHDPE、PP-H、PS、ABS、PCの5品目が前年同月割れとなっている。最大の輸出先である中国からの発注が低迷を続けているのが響いている。

 前年同月の実績を上回っているものの中では、エチレンの2.65倍、EGの95.2%増、SMの65.3%増、PXの49.9%増などが特に目を引く。前年同月割れの中では、EDCの46.9%減、カプロラクタムの31.4%減、HDPEの30.5%減などが目立つ。

 これに伴う1月から10月までの累計も、前年同期超えの品目数と前年同期割れがの品目数がほぼ同数となっている。うち注目のオレフィンは、エチレンが20万3,499トンで前年同期比18.4%減、プロピレンが28万5,912トンで同2.4%増となっている。

主要化学品の05年10月の輸出通関数量  単位はトン


品目 10月 前年比 1〜10月計 前年比
エチレン 37,888 264.6% 203,499 81.6%
プロピレン 33,693 96.7% 285,912 102.4%
ベンゼン 21,485 146.1% 271,028 119.4%
PX 224,801 149.9% 1,892,421 114.8%
SM 125,336 165.3% 1,198,372 108.8%
VCM 52,561 90.4% 693,151 111.9%
EG 34,446 195.2% 196,035 126.6%
PH 15,454 129.0% 90,740 124.9%
酢酸 8,007 123.1% 39,480 78.6%
EDC 5,988 53.1% 89,702 133.6%
PTA 32,741 91.6% 471,132 97.0%
AN 14,248 149.0% 148,668 93.4%
カプロ 11,277 68.6% 186,426 83.5%
LDPE 20,513 104.8% 183,807 94.9%
HDPE 10,807 69.5% 130,622 79.5%
PP-H 26,991 96.0% 303,193 115.0%
PP-C 9,552 112.0% 81,058 93.7%
PS 7,744 86.6% 74,527 78.3%
PVC 54,470 103.0% 611,523 104.3%
ABS 20,411 91.4% 188,830 86.2%
PC 19,682 96.8% 169,301 92.3%