2005年12月01日
日化協加盟企業のVOC削減が順調に進展
産業界全体の平均を大きく上回る
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、実績/統計)
【関連企業・団体】:経済産業省、日本化学工業協会

 経済産業省は30日、産業構造審議会環境部会の産業環境リスク対策合同ワーキング・グループの第3回会合を開き、日本化学工業協会や日本自動車工業会など合計21の業界団体によるVOC(揮発性有機化合物)の平成16年度における排出削減実績と20年度ならびに22年度の削減目標を報告した。
 
 それによると、16年度の実績では、日化協(加盟68社)の実績が削減数量・削減率の両面で全団体の平均を大きく上回っている。特に、発生量の多い関東地域で大きな成果を上げている点が注目される。また、20年度ならびに22年度の目標削減量と目標削減率でも平均を大きく上回っており、VOC削減に対する化学業界の意識の高さが端的に現われたかたちとなっている。
 
 VOCについては、平成13年度から各団体がそれぞれ加盟企業を中心に自主的な排出削減活動を推進中。この日同省が報告したのは、基準年度の平成12年度をベースとした各団体の削減実績と、今後の削減目標について各団体から提出のあった報告をとりまとめたもの。

 それによると、平成12年度の21団体(18件)合計の年間排出量は28万3,328トンであったが、16年度末には20万9,882トンに減っている。7万3,446トンが削減されたわけで、削減率25.9%となる。
 
 うち日化協の削減量は3万5,023トンで他の業界を大きくリードしている。全体に占める構成比は47.7%と圧倒的に高く、第2位の日本自動車工業会の9,190トンを大きく引き離している。削減率も38.8%と、平均の25.9%を上回り、VOC排出抑制のけん引役となっている。
 
 一方、中間目標となる20年度の削減目標量は21団体合わせて9万293トン、削減率は31.9%、このうち日化協の削減量は3万9,703トン、削減率44.0%となっている。

 また目標年度となる22年度は、21団体合計の削減量が11万1,710トン、削減率は39.4%と報告されている。これが実現すると、全体の排出量は17万1,618トンとなり、12年度排出量の60.6%に抑えることができる勘定だ。

 日化協の22年度の目標は、削減数量が4万6,008トン、削減率51.0%となっている。12年度9万208トンとなっていた年間排出量を49%の4万4,200トンと半分以下に減らすことになる。

 環境省は、一般家庭からの排出分も合わせて22年度までにVOCを30%減らすことを目標に掲げている。産業界はそれを大きく上回るレベルに目標を設定しているわけだ。

 経産省産業技術環境局環境指導室では「平成22年を目標に3割削減する計画だが、業界団体の中にはまだ行動計画が未提出のところもあり、全体の評価ができる段階にはない。だが各業界には、それぞれ熱心に削減計画に取り組んでいただいている」と、最終目標の30%削減達成に自信をのぞかせている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1133427371.tif