2005年12月02日
廃棄PETボトルの引き取り量の減少続く
4〜10月累計で前年同期を11%下回る
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法に沿って国の指定法人の日本容器包装リサイクル協会が全国の市町村から引き取る仕組みとなっている使用済みPETボトルの実際の引き取り数量が引き続き前年同月を割り込む事態が続いている。
 
 日本容器包装リサイクル協会が1日に明らかにしたところによると、同協会が10月中に地方自治体から引き取った分別収集PETボトルの総数量は1万5,979トンで、前年同月の実績を7.7%下回った。これで平成17年度に入って7ヶ月連続の前年同月割れとなった。4月からの累計は10万9,885トンで、前年同期を11.1%下回っている。
 
 同ボトルの引き取り数量は、容リ法がスタートして以降今年1月までの間、常に前年同月の実績を上回ってきた。ところが、16年度に入ってからは徐々に伸び率が鈍化してついに2月には前年割れに転じ、翌3月は一旦若干の前年超えとなったものの4月には再び前年割れとなり、いらい前年を下回る状態がそのまま続いている。
 
 同協会では、全国の市町村の中で収集した同ボトルを対中国貿易業者に売却するところが出てきたことがその要因と分析している。
 この影響は、いち早く国内のリサイクル(再商品化)事業者を大きく圧迫するかたちで現われている。ボトルtoボトルの最大手企業が原料不足のため大型設備の操業を休止して事業の中断に追い込まれているのをはじめ、同じ事情に伴う稼動率ダウンによって企業存続の危機に直面するところが相次ぐ傾向となっている。
 
 こうしたことから、同ボトルの再商品化数量も前年同月を割り込む状態が続いている。10月の再商品化数量は1万2,424トンで、前年同月を7.3%下回っている。3ヶ月連続の前年同月割れである。
 中でも目立つのはボトルtoボトルの処理量の縮小幅の大きさだ。この3ヶ月の前年同月比は8月が98.0%減、9月が94.0%減、10月が93.6%減となっている。ピーク時には月3,000トンを上回る規模に達していたが、この3ヶ月の平均は93トンにすぎない。
 全体の再商品化数量の4月から10月までの累計は9万975トンで、一応前年同期を1.8%上回っている。しかしこれは4月、5月、7月の3ヶ月の実績が前年同月を上回っていたためで、11月以降に急回復する可能性はほとんどないと見られているので、年度合計では前年度を下回るのは必至といえそう。